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第7期仏教講座開催のお知らせ 8月28日(日)ZOOM可

7年目の仏教講座は、夢窓国師の『夢中問答』です。

今、NHKの大河ドラマで「鎌倉殿の13人」をやっていますね。

毎回放送が終わるとネットであれこれと盛り上がっていて、

とても面白いですね!

でも誰もが感じるのは、なんとまあ問答無用の殺し合いの世界・・・ということではないでしょうか。

ある学者は、鎌倉はゴッドファーザーの世界、と言っていましたが、まさに・・・

このあり方を根本から変えて、剣に(武士に)精神性を持たせ、

真に統治者となっていこう、と決断したのが、5代時頼です。

その息子が有名な元寇の時宗です。

時頼は、精神性を「禅」に求めました。

欲を満たすこと・・・一族郎党の安心栄華、所領こそ命、の精神は奪うことでしか満たされません。

禅は執着を手放すことを説きます。

手放すことが、真に得ることになる

これで武士は真に生き延びることができる。時頼は蘭渓道隆を招き、建長寺を建てます。

この流れで、鎌管時代以降、武士にとって禅は必須の科目となっていったのです。

しかし、とはいえ、やはり武力で争わねばならない宿命はやってきます。

それが、鎌倉時代の滅亡、建武の新政、室町幕府の成立、の流れです。

否応なく激動の時代の中で、真逆の信念を持つ2つの力が激突します。

ここに「怨親平等」という理念で、朝廷と幕府の間に立ち、真理を説き続けた人物がいます。

それが夢窓国師。

なんと朝廷から7つもの国師号を贈られるという前代未聞の禅僧です。

いかにその存在が戦乱の世において、頼るべき道しるべであったかがしのばれます。

国師は多くの弟子を持ちましたが、

その中に、足利尊氏の弟、直義がいました。

足利幕府は、その旗揚げから一貫して兄弟二人で築き上げたものでした。

気弱なところがあり、敗戦するとすぐに死ぬ、と言う兄尊氏を、

勇猛な弟が激励し、引っ張っていったというのは『太平記』も記録された有名な話です。

しかし後に、高師直の策により、次第に兄弟間が離れはじめ、

ついに兄により(おそらく)毒殺されてしまします。

『太平記』の記録でも、直義という人物の優れた様子は多く描かれていますが、

今回仏教講座7年目にして初めて取り上げた日本の禅の書物『夢中問答』は、

国師と直義の質疑の本なのです。

この問答は、国師晩年のものです。

国師の入滅は1351年、そして直義暗殺は1532年。

さすがに国師が存命の時に反対勢力も手を下せなかったのではないでしょうか。

ということは、この書物は、

もはや兄弟が抜き差しならないところまで行っている、あるいは行きかねない、という事態を踏まえていると

見るべきでしょう。

その土壇場で、「さあ、どうする!」という激しい緊張感を持っての問答だと思われます。

しかし、問答は実に静かに、実に淡々と行われていきます。

私たちは、その静けさにこそ、本当には何があるかを見なければならないと思います。

国師は非凡な弟子の危機、新生幕府の将来、日本の将来をすべて鑑みているはずです。

その上で、それらをすべて踏まえて、弟子に禅の真理を説くのです。

弟子の方も、そのことを十二分にわかっていて、

弱音も吐かず、個人の悩みなどは一切口にせず、

禅の真理に参じようと問いを立てていきます。

実際、前回で取り上げたところには、

こうした背景を考えれば、

直義が、相手の言うことを聞いて意見を曲げていくか、自分の信じるところをたとえ破滅しても通すべきか、

と問うているようなところがあります。

「一般の人たちが福を求めるという気持ちをどう思いますか?」

国師の答えは、

「福を求める心を捨てれば福は自然に満ちる。無欲であれば無限の福徳が得られる。

小利を求めることをせず、大利を求めよ。」

でした。

密かに、自分はどうすべきかを問い、国師もそれに答えていますね。

傍からこの様子を見ていると、胸が痛くなってしまいます・・・

優れた人と人の、命を懸けた問答です・・・

この問答は、筆記したものがすぐに当時出回ったそうです。

知識人たちは、敵味方を越えて、それこそ夢中になってこの問答を読んだのです。

なぜでしょうか?

自分の今の悩みを即、助けてくれる教えがあったからです。

そしてそれが時代を超えて真理だと思えたからです。

それほどのものです。今年、一緒に学びませんか?

仏教講座は、釈尊の覚りとは何か、から始めて、順に禅を理解できるよう、学べるように構成してきましたが、

日本のものを選ぶとき、煌めく仏教書がたくさんある中で、

私はぜひとも一番に皆さんにこの書物を紹介したかったです。

時代背景も実に重要です。

今こそ、二つに割れて争う時、人はどうするべきか。

夢窓国師の「怨親平等」の真意を学んでみませんか?

次回は8月28日 午後2時から約1時間半、擇木道場で開催します。

ZOOMも併用しています。

詳しいことは  までどうぞ。

受講料3000円/回 テキスト込 会員価格あり

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